パピヨンの部屋 - Welcome to Papillon's room
影子の楽しい海底探検
 
       すみくらまりこ   
 


黒猫影子は元気な子。
楽しいこと探すの大好き。
いつも何かを探している。
 
「もう家のなかじゃつまんない」
フクロウ博士にそう言ったら・・・
 
 
 









「影子は何が好きじゃ」と博士。
「お魚さんが大好き」
 
どんなに遠くでもクンクンクンクンお鼻が動く。
川でも海でも、小さなお魚さん、大きなお魚さん、
泳いでいるのを見るのが好き。
 
「なら、きょうは海底探検だ!」
潜水服を着て出発しよう。
「息ができないよ、からだ濡れちゃうよ」
「大丈夫、これを着ればいいのだ」とフクロウ船長さん。
 









 
 
 
 
「うわあ、すごーい。きれいだね」
一日中見ていても飽きない影子に、フクロウ博士がいう。
 









「あの白いのなんだろう」と影子。
「あれはイカさんじゃ。ちょっと怒ると黒いスミをぴゅーっと吹くのじゃ」
「えー、じゃそっとしておかなくてはだめだよ」
 
 









 
 
 
「海の底ではな、みなじっと岩のすきまに隠れていて、
 大きな魚どもが寝静まるころそっと起きてくるのじゃよ。」
「なぜ?なぜ楽しく泳がないの?」
「小さいものは大きいものに食べられてしまうのさ」
 
すると巳子がすかさず云う。
 
「大きなお魚さんは針で釣られて、そして食べられちゃうの。
 にんげんさんに」
「にんげんさんって?」
「影子のおうちも前はにんげんさんが住んでいたでしょう。
とっても頭がよくってやさしいんだけど、ちょっとグルメさんなの。
美味しいもの食べるの大好き。」
 
「そういえばサーモン吊るしてあったね。
だったらカニさんやエビさんは安心だね」
 









 
 









 
 
 
フクロウ博士は続けました。
「ふーっ、おおきな網で底の砂ごとザザーッてすくうんじゃ。にんげんさんはカニが大好きだ。海老はもっと好かれるのさ」
 
ウズラさんがいいました。
「わたしたち鳥だって食べられるのよ。」
「牛さんだって、ニワトリさんだって・・・」
 
フクロウ博士は目を閉じて言いました。
「にんげんさんは、からだが弱いんじゃ。皮膚も薄いし、1メートルも
上に飛べない。走るのも遅いし始終ぶつぶつ不平を云っておる。
だから食べることが楽しみで、そして強くなると信じておるのじゃ」
 
影子は悲しくなりました。
「みな食べられちゃうの?お魚さんがなくなってしまわない?」









 
 









photo by vp web free use collection
 
フクロウ博士はいいました。
「大丈夫じゃ。いっぱい卵を生んでじょうずに育てるから、
負けずに増えてくるんじゃ。 それにお魚さんはじつに賢く暮らしておるぞ。」
 
 









 
影子はちょっと安心しました。
そして船の上へもどってきました。
そして大きな声で海に向かって言いました。
 
「お魚さあん!影子は見ているだけで嬉しいよ。
いろんな色でいろんなかたち、素晴らしいよ。
ファッションショーだ。
誰がお洋服作ったのかなあ、神様だよね。
またくるから元気でいてね。
 
夢のような海底たんけんが終わりました。
影子はそのきれいさが忘れられません。
大好きな力くんや夢子ちゃん、
そしてたくさんの海の子たちといっしょに
たんけんしようと約束をしました。
 
Display by Mariko Sumikura
造型:すみくらまりこ

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